

2023 annual reports
2023年度(2023年7月1日~2024年6月30日)活動報告
2023年度、NPO法人ルンタプロジェクトは、「HIV/AIDS陽性者への支援活動」及び「身体障害者施設への支援活動」の2つの支援活動をネパールにおいて実施した。2022年度の活動内容を、以下に報告する。
予定していた「人身売買被害者レスキュー活動」は、カウンターパートであるシャクティ・サムハの体制が整わず、実施されなかった。
1)HIV/AIDS陽性者への支援

HIV学童への教育支援事業
J.S.Foundation様からのご支援により「HIV学童への教育支援」を19年度より年間50万円、3年間事業として開始し、前期よりさらに3年間の支援を約束された。今期はその2年目であった。
HIV陽性学童を抱える父母においてはその多くが同じくHIV陽性者であり、片親がAIDSで亡くなっているか、離婚して母親だけ、または両方を亡くした孤児というケースがほとんどだ。一般にこのような家庭の経
済状態は非常に悪く、正規の仕事につつけているケースは少なく、日雇い仕事に従事するものが多い。経済的に子供を学校に通わせることができない家庭も多いという状況の中でこのような教育支援の必要性は高いと思われる。教育費が払えずやむなく退学せざるとえないという学童をできるだけ救いたいと願っている。
今期の就学支援としては小学生16名に各7,650ルピー、中学生20名に各10,000ルピー、高校生10名に各12,000ルピーづつ、計46人に計450,000ルピー(526,500円、期末レート1.17、以下同様)を支援した。
2)バネパHIV子供シェルターへの支援

バネパHIV子供シェルターの運営支援事業
2021年8月にオープンしたバネパHIV子供シェルターだが、現在スタッフ2人、学童女子11の計13人が暮らしている。今期2人増えた。子供たちは全員すぐ近くにある公立学校に通っている。今までのところ何も問題なく、みんな非常に明るく暮らしていけている。
このシェルターのために今期1,436,319ルピー(1,680,493円)を支援した。今期はルンタプロジェクトから、シャクティ・ミラン・サマージュに合計2,206,993円を支援した。
3)タラケシュワール身体障害者施設への支援

身体障害者施設への生活・医療支援事業
2019年より支援を始めたタラケシュワール身体障害者施設に対し、今期も医療費、食料費、衣料費、ピクニック費用などの支援を行った。施設への入居志望者が多く、徐々に入居者が増えているのでベッドや寝具の支援も行った。
現在施設には32人が暮らしている。前期より7人増加。今期の支援合計は690,000ルピー(807,300円)であった。
2024年度ルンタプロジェクト事業計画
2023年度に行えなかった「人身売買被害者レスキュー活動」を復活させ、「HIV/AIDS陽性者への支援活動」、「身体障害者支援」を2024年度も引き続き、継続する計画である。
1)人身売買被害者レスキュー活動
前々期までシャクティ・サムハをカウンターパートにこの活動を行ってきたが、前期は体制が整わないという理由で何も成果がなかった。そこで、今期からはシャクティ・ミラン・サマージュをカウンターパートとして、ネパール国内で人身売買に遭い、性奴隷として働かされている女性をターゲットにレスキューを行うことになった。インドの娼婦街同様、ネパール国内でも娼婦街や歓楽街で人身売買後自由を奪われ売春を強要されるケースが多い。同団体にとっては初めての経験となるので、成果は未知数ではあるが、これを始める意義は大きいと思われる。
事業は3年計画とし、初年度は9月始まりの10ヶ月間で予算は2,000,000円、第2,3年度は2,300,000円とする。
2)HIV/AIDS女性と子供への支援
HIV/AIDS女性と子供たちの支援については、J.S.Foundationからの支援による学童教育支援を継続すると共 に、今期からは大学生を対象とした奨学金・教育支援を始めることになった。これはルンタを長年支援してくださっている電気ねこさんの全面支援を得ることになっている。その他、バネパシェルターホームの運営費を継続支援する。
予算は小中高学童教育支援に50万円、大学生支援に60万円、バネパシェルターホーム運営費支援に200万円、計310万円とする。
3)タラケシュワール身体障害者施設への支援
この施設では入居者が増え、また障害者同士が結婚するというケースも増えている。現在ペアになった障害者は隣接する土地の中に不法にトタンバラックを建て劣悪な環境の中で暮らしている。今月施設はこの隣接する土地も借地契約することができた。そこに9世帯分の宿舎を建設する計画である。
建設費支援としての予算は300万円とする。その他医療費その他の生活支援として予算60万円、計360万円である。新しい宿舎建設費についてはクラウドファンディングを予定している。
2024年度 事業費・経費
人身売買被害者レスキュー 200万円
HIV/AIDS女性と子供支援 310万円
身体障害者支援 360万円
ネパールおよび東京事務所経費 150万円
合計 1,020万円