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2024 annual reports

2024年度(2024年7月1日~2025年6月30日)活動報告

2024年度、NPO法人ルンタプロジェクトは、「HIV/AIDS陽性者への支援活動」、「人身売買 被害者レスキュー活動」及び「身体障害者施設への支援活動」の3つの支援活動をネパールにおい て実施しました。以下に2024年度の活動内容を報告します。 

1)HIV/AIDS陽性者への支援

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HIV学童への教育支援事業

 J.S.Foundation様からのご支援により「HIV学童 への教育支援」を19年度より年間50万円、3年間事 業として開始し、今年度は3期(1期3年)の3年目 であった。今期は急速に円安が進んだこともあり、 為替換算の調整金を含め、70万円のご支援をいただいた。

 HIV陽性学童を抱える父母においてはその多くが 同じくHIV陽性者であり、片親がAIDSで亡くなって いるか、離婚して母親だけ、または両方を亡くした 孤児というケースがほとんどだ。そのため家庭の経 済状態は非常に悪い。正規の仕事を得ることは難しく、日雇い労働に従事する者が多い。経済的 困窮により子供を学校に通わせることができない家庭も多いため、HIV学童への教育支援の必要性 は非常に高い。教育費が払えず退学せざるを得ない子供たちをできるだけ救いたいと願い、教育支援事業を継続している。

 今期の就学支援では、小学生16名に各8,000ルピー、中学生19名に各10,000ルピー、高校生13 名に各12,000ルピーづつ、計48人に計500,000ルピー(530,000円、期末レート1.06、以下同 様)の支援を実施した。 

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【新規】HIV大学生を対象とした奨学金支援事業

 I 様のご支援により、今期より新たにHIV大学生への奨学金支援事業を開始した。ルンタのHIV学童支援は高校生までが対象だが、卒業後も大学へ進学したいと希望する生徒が増えているためだ。なかでも国立大学に進学できた学生を対象に、今期は6名への奨学金支援事業を行った。6名それぞれに35,000ルピー、合計210,000ルピー(222,600円)を支援した。

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【新規】HIV/AIDS陽性者への訪問医療支援事業

 I 様のご支援により、今期より新たにHIV/AIDS陽性者への訪問医療支援事業を開始した。様々な理由で病院にも行けず、生活にも困窮しているHIV陽性者を訪問して医療支援することを目的にし、必要な場合には通院費や医療費も支援する。訪問すると同時に、抗HIV薬を届けることも大切な活動だ。カウンターパートのシャクティ・ミラン・サマージュを介して、今年5月よりルンタの新規事業として開始し、5〜6月の2ヶ月間で、79,920ルピー(84,715円)を支援した。 

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バネパHIV子供シェルターの運営支援事業

  2021年8月にオープンしたバネパHIV子供シェルター。現在スタッフ2名、女子学童11名の計13名が暮らしている。今期の新規入居者はいない。これまで近所の公立学校に通っていたが、「程度が悪すぎる」、「先生が来ないことが多い」などの意見が多数あり、中学・高校生の5名は、少し離れたバネパの市街地にある私立校へ通わせることになった。シェルターでの日常生活は、みんな非常に明るく元気に暮らしている。

 バネパHIV子供シェルターの運営のために今期1,292,106ルピー(1,369,632円)を支援した。

 

○「HIV陽性者への訪問医療支援事業」継続のための一時援助金

 

 これまでシャクティ・ミラン・サマージュが行っていた「HIV陽性者への訪問医療支援事業」は、別団体からの寄付金で賄われ、地方から都市部の病院へ通うための滞在施設も運営していたため、年間予算300万円以上を費やしていた。しかしスポンサー契約を突然に打ち切られ、事務所の家賃滞納や事務員の給料未払い、失職する職員もおり、事業継続に大きな影響が出た。そのためルンタプロジェクトでは、次のスポンサーを探すために2ヶ月分の繋ぎ資金として200,000ルピー(212,000円)を援助した。

2)人身売買被害者レスキュー活動 (カウンターパート:シャクティ・ミラン・サマージュ

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 2024年9月より3年間、307Foundation(足利市)様からの全面的支援により、ネパール国内での人身売買被害者のレスキュー活動を開始した。シャクティ・ミラン・サマージュと連携してレスキューを行うが、ミランは過去にレスキューの経験がなく、当初は警察(人身売買係)との連携が不十分で、成果を上げるまでに時間を要した。

 今年6月末までに、警官と共に現場踏み込みを3度行い、計6人の少女を救出した。いわゆるインドのような売春宿ではなく、表向きにはリラクゼーション施設のスパやマッサージパーラーを装う店だった。警官との連携が上手く取れずに、救出のチャンスを逃すこともあったが、無事に救出された少女たちは警察が準備した安心できるシェルターに滞在し、カウンセリングや職業訓練を受けることもできる。

 今期は人身売買被害者レスキュー活動事業に1,448,601ルピー(1,535,517円)を支援した。

 1)と2)を合わせ今期はルンタプロジェクトから、シャクティ・ミラン・サマージュに合計3,954,302円を支援した。

3)タラケシュワール身体障害者施設への支援

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身体障害者施設への生活・医療支援事業

 2019年より支援を始めたタラケシュワール身体障害者施設に対し、今期も医療費、食料費、衣料費、ピクニック費用などの支援を行った。今期はさらに、施設を拡張し、夫婦棟を新しく作るアパート建設計画の支援も行なった。建設費用の一部を募るクラウドファンディングを日本国内で行い、300万円の目標を達成し経費を差し引いた全額を寄付した。  現在、新築のアパートには10組の障害者カップルとギータさん、プルニマさんが暮らしている。入居後に子供が産まれた夫婦もいる。タラケシュワール身体障害施設が増築したことが噂になり、一時は入居希望者が殺到し、入居者は20人も増え、現在52人が施設で共同生活を送っている。  

 今期は、タラケシュワール身体障害施設へ合計は2,701,000ルピー(2,863,060円)を支援した。  

2025年度ルンタプロジェクト事業計画

 2024年度に引き続き「HIV/AIDS陽性者への支援活動」、「人身売買被害者レスキュー活動」、「身体障害者支援」を2025年度も継続する計画である。

1)HIV/AIDS陽性者への支援活動

 HIV/AIDS陽性者への支援内容は、「学童教育支援」「大学生奨学金支援」「HIV/AIDS陽性者訪問医療支援」を継続する。その他、バネパHIVシェルターの運営費支援を継続する。

 予算は小中高生の学童教育支援に60万円、大学生奨学金支援に23万円、HIV/AIDS陽性者訪問医療支援に50万円、バネパHIVシェルター運営費支援に200万円、合計333万円とする。

2)人身売買被害者レスキュー活動 

2025年度もネパール国内で人身売買被害者レスキュー活動を行う。予算は275万円。

3)タラケシュワール身体障害者施設への支援

 2025年度も医療費、食糧費などの支援を行う。アパート棟を増築したが、当初予定していた他団体からの支援を得られなかったため、建設資金が最終的に200万円不足したが、不足金の一部をルンタが負担する。今期のこの施設への支援の予算は90万円。

2024年度事業費・経費

HIV/AIDS女性と子供支援        333万円

人身売買被害者レスキュー      275万円

身体障害者支援             90万円

ネパールおよび東京事務所経費      150万円

               合計   848万円

NPO法人ルンタプロジェクト 令和6年度事業報告書等提出書

⚪︎ 事業報告書(書式第12号)

⚪︎ 活動計算書

⚪︎ 貸借対照表(書式第15号)

⚪︎ 財産目録(書式第17号)

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